- 高配当ETF「SPYD」はS&P500の中でも高配当の80銘柄の連動を目指す。
- 「SPYD」のメインセクターは金融と不動産で景気に左右されやすい。
- 老後資金を堅実に、という方は高配当株への投資ではない方がいいことも。
- 人気の「QQQ」との相性…分散という視点ならGood。
皆さん、こんにちは。
サイドFIRE(Financial Independence Retire Early)を目指す30代会社員のじーこです!
今回は、注目を集めている「米国株」の中でも高配当ETFとして人気の「SPYD」について解説していきます。
ちなみにETFとは上場投資信託というもので、根本の考え方は投資信託と同じです。投資のプロにお願い(信託)して「株の詰め合わせパック」に投資をするイメージです。
SPYDがなぜ人気なのか?
コア(核)となる投資先になり得るのか?
QQQとの組み合わせは相性がいいのか?
理由を交えて解説していきます!

僕はSPYDとQQQ、両方とも投資しています!
コンテンツ
実際どうなの?「SPYD」
まずは、「SPYD」の特徴をざっと説明します。
- S&P500の中でも配当利回りが高い上位80銘柄のパフォーマンスに連動する運用成績を目指すETF。
- 総経費率は0.07%と非常に低コスト。
- 配当時期は四半期毎(3・6・9・12月)
- 半年に1度リバランスと銘柄の組み替えあり
中でも大きな特徴は、配当金の高さです。
SPYDの特徴その①「魅力的な高配当」
配当金というのは、企業が利益を株主に還元するもので、相場は2、3%といったところでしょうか。
それに対し、SPYDの直近の配当利回りは3.95%です。
コロナショックでガクンと下がり、一時期に比べると配当利回りも下がっているのが現状ですがそれでもまだ好水準を維持していると言えます。
SPYDの特徴その②投資セクターは主に金融と不動産
SPYDは80銘柄に分散投資、とお伝えしました。
気になるのは「どんな業種に?」という点でですが、構成比率は以下の通りとなっています。

多いものから順にみていくと・・・
【金融】【不動産】【公益事業】【エネルギー】、次いで【情報技術】などとなっています。
均等加重平均という方式を採用していて、すべての銘柄を均等に組み入れる設計になっています。
そういう意味では高配当株の中である程度、分散できているとみることもできます。
人気の高配当ETFにもデメリットはある!
高配当ETF「SPYD」のデメリットは以下の通りです。
- 景気動向に左右されやすい
- ある程度の投資資金がないと配当は実感しにくい
- インデックス投資の方がリターンが大きくなる傾向
詳しくみていきます!
高配当ETF「SPYD」は景気に左右されやすい
「SPYD」のメインセクターである金融や不動産は景気動向に左右されやすいという側面もあります。
こちらは過去3年のSPYDのチャートになります。

ご存じの通り、2020年初頭のコロナショックでSPYDの株価も大暴落しました。まさに景気動向に大きく影響を受けた結果です。
つまり、不景気になるとめっぽう弱いんですよね。
分散投資できていると言っても80社はETFの中では決して多いとは言えませんし、セクターの偏りによって景気後退時には減配するリスクがあることは押さえておくべきでしょう。
ある程度の投資資金がないと配当は実感しにくい
高い配「SPYD」の人気の秘密ですが、配当を得られた!と実感するにはそれ相応の投資資金が必要です。
特に配当金生活を目標にしている人であれば、かなりの資金が必要になります。
例えば・・・
年間の生活費450万円をSPYDの配当だけで賄おうとした場合、直近の配当利回り3.95%で考えると投資資金として1億1400万円が必要になります。
僕もSPYDに投資していますが、元々の投資資金が少ないので雀の涙でした。笑

インデックス投資の方がリターンが大きくなる傾向
SPYDだからというわけではありませんが…
高配当株ETFが誰にとっても最適解ではない!ということは理解しておいた方がいいと思います。
特に「長期保有」を前提にした場合、インデックス投資の方がトータルリターンが高くなる傾向があります。
- 給料とは別の収入が欲しいという人
- 目に見える実績があることで投資のモチベーションが維持・向上できる人
老後の資金をしっかり形成したいという人

投資の目的が「老後資金の形成」と明確であれば配当にこだわるよりもインデックス投資で着実に…という投資方法が向いているってわけですね!
理由は複利の効果です。
複利とは、運用で得た収益を元手にプラスして再投資することで利益が利益を生む効果のことです。
SPYDのような高配当ETFは、運用で得た収益を配当として支払うため、元手にプラスできず複利の効果が得られにくいためです。
堅実に資産を増やしていきたい!という人には、アメリカの500社で構成されるS&P500に連動するインデックスファンドがオススメです。
「SPYD」と「QQQ」相性は?
結論から言うと分散という点で言えばQQQとの相性はいいと言えます。

分散という視点で考える「SPYD」と「QQQ」
まずは新しく出てきた「QQQ」というETFの特徴です。
- アメリカの新興企業で構成されるNASDAQ100という指数に連動するインデックスETF。
- 総経費率は0.20%。SPYDに比べると高め。
- ここ最近はリターンが高く人気に。
NASDAQ100というのは、新興ハイテク企業が上場するNASDAQのうち金融を除いた100社で構成される指数です。

アップルやアマゾンなども入っています。
このNASDAQ100という指数、最近とても人気です。なぜなら・・・
アップルやアマゾンなどのGAFAMの比率がS&P500よりも多い。
そのためGAFAMが牽引する経済状況ではNASDAQ100の方が運用成績が上回る。
そこで僕が投資している「SPYD」と「QQQ」の分散についてみてみると…

比重の割合にするとわずか3%です。 投資対象の企業の重複に注目すると5社という結果に。
「SPYD」が金融や不動産セクターの割合が高かったのに対し、
「QQQ」はIT企業などハイテク企業の割合が高いためです。
ほとんど重複がないため企業やセクターの分散という点では効果的だと言えます。

目的に応じて高配当ETFへの投資を考えてみましょう!
日本で人気のある米国ETF「SPYD」のメリット、デメリットに加え、「QQQ」との相性について「分散」という視点で考えてみました。
「SPYD」はS&P500という指数の中でも特に高配当の上位80銘柄に投資するETFです。
ただし「人気だから」「高配当だから」だけで投資するとまさかの落とし穴にはまってしまう可能性もあります。
デメリットとして「SPYD」は景気動向に左右されやすく景気後退の局面では減配リスクが高まることや複利の効果が得られずインデックス投資よりも最終的なリターンは少なくなる傾向があるのも事実です。
とはいえ配当の高さは魅力的で、直近では下がりつつあるとは言え3.95%をたたき出すことで人気となっています。
同じく人気の「QQQ」との相性については、そもそも投資先のセクターにほとんど被りがないため、「分散投資」という点で相性はいいと言えます。
投資の大原則は、「勝つこと」ではなく「負けないこと」。
つまり資産を「減らさないこと」です。
そのためにも「分散」という考え方は非常に重要ですので投資先を選ぶ際の参考になれば幸いです。
では、また次回。
皆さんの日々が豊かなものになりますように!
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